ガラスの宮殿

ガラスの宮殿 (新潮クレスト・ブックス)

ガラスの宮殿 (新潮クレスト・ブックス)

インド人孤児のラージクマールとビルマ宮廷の侍女ドリーが11歳と10歳で出会うところから始まる、600ページを超える長編。とにかく話が面白いのですいすい読み進む。ラージクマールの一生を描く大河ドラマと思いきや、子供や孫や取り巻く友人たちを巻き込む壮大な物語になっている。「百年の孤独」に通じるところもある。それだけでなく、ビルマがイギリスの植民地になるところから二つの戦争を経て最後はアウンサンスーチー民主化運動まで、ビルマの視点による激動の20世紀を描いており、そういう意味でも面白く読める。